千葉 伸也 氏 千葉 伸也 氏

─ 相続支援を始めたきっかけ

  3年ほど前、日管協のセミナーが仙台であって、三好会長(当時)が相続支援コンサルタントの話をされていました。そこですごく感銘を受けて、受講したという経緯があります。その当時、私が担当していた業務はオーナーの土地の有効活用、売買だったのですが、「売りましょう、建てましょう」という営業をしつつ、それが本当にオーナーのために良いのか、正直分からないという思いもありました。ただ、地域に密着していく中で、ずっと長く会社も残さなくてはいけないという中で、ちょっともやもやしていたのですが、三好会長の話を聞いて、行き詰っていたもやもや感が一気に晴れました。
 特にセミナーを主でやることが面白いと思いました。自社で講師をするというのは今までやっておらず、アウトプットという概念も、正直なくて、知識だけを植え付ければいいのかと思っていました。アウトプットする難しさも痛感しましたがセミナーを主軸にするのは、ただの不動産会社ではなくて、いわゆる資産管理としての発展につながる良い手法だと思います。

─ 相続支援が会社にもたらす影響

  セミナーを受けて気付いたオーナーには、資産コンサルティングのような立場でお付き合いをさせていただき、所得税や相続税の問題、どういった対策ができるかというところまで入りこんで、提案できるようになりました。案件はまだ少ないですが、相談に来ていただけるオーナーとは良い関係性ができていると感じます。オーナーから、不動産だけでなく生命保険も扱っているの?他社がこういう風に言っているけどどうしたらいい?等の相談もあり、不動産会社としての幅がすごく広がっていることを実感しています。講師をすることによって、より相談が来やすくなる。話す以上は勉強をしなければいけない。そこは、オーナーのためでもありますし、会社のため、自分のためでもあります。
 この資格をとって変わったことは多いです。講師をやりたいという社員も出てきて、相乗効果が会社の中で出ています。セミナーは社内・社外から見られますし、人前で話す自信もつき、スキル、モチベーション、コミュニケーション能力アップにも非常につながっています。そういった意味でも相続支援コンサルタントは会社でも注目されています。人材作りも含めて、何かあったら山一といってもらえるようになっていかないと、地元企業としては大手に勝てないですから。
 相続対策は一朝一夕でできないと肌身で感じています。それぞれのペースでやらないといけないので、提案し続けることによって「山一」が選ばれることを実感しているところです。不動産業はアナログ的なところがすごく大事なところです。つまり、最終的には人で選ばられるといっても過言ではない。地場は地場のやり方がある。地場の業者は相続事業を避けて通れないのではないかと思います。

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